あまり日常では見かけない品物と言うと、結構色々なアイテムが上がるものです。例えば、大学生に「ゴルフクラブを見ることがあるか?」と質問してみると、多くの場合答えはノーだと思います。
同じように、大学生に「金庫を毎日見ることがあるか?」と問うと、だいたい多くの学生は「いいえ」と答えるでしょう。
ところが、私の場合は違うのです。私は実家からも通える大学に通っていて、そこのサークル仲間の飲み会の席で出たお題で、なぜか「金庫の鍵に合鍵って必要だと思いますか?」というものがあったのです。
もっとも、この席はいわゆる「ビンゴ大会」+「罰ゲーム」を兼ねたようなかなりいい加減な場でしたので、そんな深い意味は無く、ただ先輩方が適当に書いたお題の中に「金庫絡み」の紙があった、という状況なのだと思います。
さて、このお題、普通の学生なら「えーどうだろー、わかんなーい」とか、「いや、金庫なんて身の回りにないから知らないよ」というところでしょう。ですが、実は私の場合は事情が違います。
私の実家は実は結構大きな家で、地域では顔役としての役割をもっているんです。そのため、奥座敷には大きな金庫があり、その管理について、私が曾祖父から引き継いでいたところでした。
結局、この「金庫の鍵に合鍵って必要だと思いますか?」という問いかけに、私は「いえ、防犯の観点から金庫の鍵は増やすべきではないと考えます。それならいっそのこと、金庫の扉ごと変えるべきです」と曾祖父の受け売りをそのまま答えてしまいました。
穴があったら入りたいとは、まさにこの答えを思わず出した直後の私のことでしょう。正直、その場から逃げだしたいくらい恥ずかしかったのを覚えています。